唄うたい、月欠ける。

真っ白が積もるときには






真っ白が積もるときには


どうかわたしの隣にいて


この冷えた指先を


ぎゅっと握ってほしいのです



悪戯に掌を擽る指も


その日なら許してあげましょう



代わりにわたしがあなたの頬に


冷たい唇でキスをして


驚くあなたに


わたしも優しく笑うのです





きっと、優しく笑えるのです








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