緑の魔法使い
その手はやがて鳩尾、わき腹、腹部、そして下腹部に・・・
「そ、そこまでやるのですか?!」
さすがに悲鳴とまでは行かないけどとびのいてしまった。
「そりゃ、全身だもの。女子なら大切なのは判ってるだろ?」
「大切と判ってて触るの!!」
「トイレとか大変じゃね?」
「大変・・・だけど・・・」
「なら足を広げろよ」
ボトルに残り少なくなった薬がチャポンと揺れる。
「勘違いしてるけど、皮膚の中で一番弱いとこだろ?」
下着が擦れて生理でもない出血に悩まされてるのは恥かしくて口が裂けてもいえない秘密。
今更隠しても意味を成さないタオルで体を隠してこの秘密だけは知られたくないというように震えていれば、頭上で小さな溜息。
「言っただろ?俺は鼻がいいんだ。そこが酷い事になってることぐらい服を脱ぐ前からわかってる。それに今までだって女の人の治療も何度もしてきた。病人の体に欲情するような神経持ち合わせてないよ」
言い換えれば、女の子ともみなされていない発言に酷く傷付いた。
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