緑の魔法使い
ちなみに作業をずーっと見ていたが、何を入れたのかさっぱりと判らなかった。
「それにしても強烈な薬ですよね」
「臭い?最悪だろ」
笑う笑顔につられるように笑ってしまう。
「これで効果がまったくなければ本当に最悪ですが、昨晩いただいたお茶も薬のうちですよね?すっかり体が楽になりました」
「うん。効果がなければ使う必要なんてないんだけど、悔しいぐらいに良く効くからな」
自覚があるのかだれともなく笑ってしまい
「お嬢様にも効果がありますかね」
綾瀬川さんの暗い口調に俺は思い出したかのように
「所でなんで今晩から明日が一番大変なのでしょう?」
聞けば、ちょっと困ったように
「たぶん今日の夕方頃から初日から飲んでる薬の効果が出てくると思う」
「効果とは・・・?」
「簡単に言えば解毒。体からどんどん排出しようとするから、腹痛が激しくなる。つまり下痢」
あああ・・・と声を漏らしながら綾瀬川さんは両手で顔を覆ってしまった。
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