緑の魔法使い
「なんか薬膳っていうより漢方かも」

私の呟きは聞えなかったようで首を捻っていた橘君だけど

「今度の薬はお化粧するみたいにつかうんだ」

言って、頬にもう一度シュッと吹き付けて、優しく包み込むように軽く叩き込む。

「痛い?」

「大丈夫。これなら一人でできるかも」

言って瓶を渡してもらって顔に叩き込んでいく。

「うん。そんな感じ」

首元から胸元、腕まで一人で出来れば、

「背中、やろうか?」

「・・・お願い」

綾瀬川も羽鳥もいまだに起きてこないようなので、橘君にお願いするしかない。
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