緑の魔法使い
「だけど良かった」

ポツリと呟いた橘君の声に私は首を少し後ろに向ける。

「何が良かったの?」

小さく笑って橘君はまたプシュッと薬を吹き付ける。

「最初治療をすごく抵抗してたでしょ?」

「・・・私だってもうすぐ18歳だもの。人前で肌を見せるのは抵抗を覚えていい年であってよ」

それは今でもだけど、散々見せた後なのだ。少しぐらいの抗体は出来たつもりだ。

「うん。だけどあの薬色々と強烈だからさ、ひょっとしたら手を抜かれちゃうんじゃないかって思ってたんだ」

それは・・・アソコの部分の事を言っているのだろうか・・・
思わず顔から湯気が吹き出しそうになるも

「他人に任せるくらいなら自分できちんとやります!」

自分の体だから抵抗なくできるのだ。
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