緑の魔法使い
足音が遠くへと離れ、勝手口から畑の方へと行くのを効きながら、緩んだ緊張はあっという間に崩壊した。
ぐすっと鼻水を啜ったかと思ったらとたんに涙がぽろぽろと流れ落ちてきた。
それを止めようと手で目元を擦ったら、今度は喉元が引くついて

「ふえぇ・・・」

零れ落ちた鳴声と共に床に座りこむ。
タオルを握りしめ、顔に押し当てて声を殺しながら思いっきり泣いた。
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