【続】俺様王子と秘密の時間


「今のアンタの精神ガタガタになってるんじゃない?ベラドンナの毒が回るとね、精神錯乱状態になったりしちゃうの」


あたしの唇をベラドンナの爪先でなぞった。

唇がヒリヒリと痛かった。


心をどす黒いペンキでベチャリと塗りつぶされていくような気がして、痛みが、毒が駆け巡る。


精神が乱されてしまう。

心がボキッと折られそうだった。



「コレ、なんなの?」


美結ちゃんは目線を落とす。



「ワッフル……だよ……」

やっと声が出せた。

みっともないくらいに震える。



「ワッフル……?」


美結ちゃんの声から力が抜けたような気がして、ふと顔をあげる。

大きく見開いた美結ちゃんの瞳には漆黒の闇が映りこんでいるようで、だけど口元だけが笑った。



その瞬間。



――バサッ!

 

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