【続】俺様王子と秘密の時間
すぐ後ろで止まったバイクは夕焼けに照らされていて、ほのかにオレンジ色に染まって見えた。
「何やってんだよ?」
羽鳥……。
バイクに股がる羽鳥はあたしを見て一瞬、驚いた表情を浮かべた。
ウェーブの髪の毛が揺れる。
もう、泣いてしまいたかった。
「お前、シイに何した?」
羽鳥は顔をしかめる。
バイクをおりると鍵をブレザーのポケットに閉まって、美結ちゃんに冷たい口調で言い放つ。
グラリと視界が揺れて羽鳥に腕を掴まれたあたしはやっと立ち上がれた。
「こんな凡人を助けにくるなんて、アンタも落ちぶれたもんね?結構モテるのにもったいないよ?」
美結ちゃんは不適な笑みを浮かべて羽鳥に近よるとさらに続けた。
「ねえ、美結とエッチしようよ?羽鳥先輩ならいつでもいいよ?」
胸がキュッとした……。
凍りつきそうになる。
この子がほんとに怖かった。