【続】俺様王子と秘密の時間
◆エッチ=愛?
「久しぶりだね、椎菜ちゃん」
春希さんが顔を出す。
相変わらず爽やかな笑顔。
少し髪が伸びたような気がする。
「こ……こんにちは……」
あたしはペコリと頭を下げた。
あの後、羽鳥は“バカ王子が待ってんだろ?”なんて言ってバイクに股がり去っていったんだ。
その背中を見送ったあたしは少しためらいつつも、どうしても逢いたくて千秋の家に来てしまった。
あたしの顔を見た春希さんは眉を下げた。
きっと、今のあたしはもの凄く酷い顔をしているんだと思う……。
「千秋のこと心配して来てくれたの?」
あたしはコクンと頷いた。
まだ心臓がバクバクうるさくて、涙を拭いたばかりか目の奥がジンワリと熱かった。
「あがって?」
「……はい。お邪魔します」