【続】俺様王子と秘密の時間
そしてあたしは春希さんにお礼を言って、千秋の部屋へ向かった。
な、なんか緊張してきた。
あたしはドアの前まで来たというのに変な緊張感が走って、ノックをすることに戸惑ってしまう。
だけど、逢いたい……。
募りだす想いは止まらない。
とにかく、せめて今だけは美結ちゃんに言われたことを考えないようにしようとあたしは思った。
――コンコン。
ちょっと控えめにノックをする。
返事がなかったけれど迷った末、あたしは静かにドアを開けて部屋の中へ踏みこんだ。
「千秋……?」
窓際のダブルベッドでやっぱり千秋は眠っていて、あたしは起こさないように側に近寄った。
寝顔まで綺麗でドキッとする。
ちょっと汗ばんだ額が目に入る。
あたしは枕元にあるタオルに手を伸ばして、そーっとおでこに触れた。
「……ごめんね」
呟いた直後。