【続】俺様王子と秘密の時間
「ん……」
千秋の瞼がゆっくりと開いた。
きゃあっ……って思わず叫びそうになったけど必死に飲みこんだ。
「ごめんね……起こしちゃ……」
言い終えないうちに千秋の手が伸びてきて、あたしの手首を掴む。
熱があるなんて思えないくらいの力で。
あたしの身体は一瞬でベッドの中へ引きずりこまれてしまった。
「ぎゃっ」
ギシッとスプリングが軋んで、まさかの出来事に頭がついていかない。
「なっ……なななにすんのよぉ」
反射的に瞑った目を開くとあたしはベッドの中、しかも千秋の身体とピッタリくっついていた。
横には千秋の身体がある。
というか、向かい合うような体勢だった。
きゃあああああ――。
ふいうちをくらった。
こんなの反則だよ、反則っ!
「嬉しいねぇー。お前の方から迫ってくるなんて」