【続】俺様王子と秘密の時間
◆ピンク色の放課後
「シイどーしたの?」
パタン。
あたしの前を歩くコウちゃんが突然くるりと振り返ったから、慌てケータイを閉じた。
「な……なんでもない!」
別に慌てる必要なんてないのに。
少し前ならヒヤヒヤしてたけど、今は……はーちゃん達はもう知ってるんだから。
視聴覚室は確か新館の……って、あたしったらなにあっさり行こうとしちゃってんのよっ!?
バカバカ。
そんなんだからダメなんだよぉ。
だから、いつまで経っても進展ないんだ。
「また明日も野次馬が来るね?」
「えっ……」
廊下を歩く途中で言われたことに、あたしの気分はドーンと沈む。
「だってほら」
と、コウちゃんはブレザーのポケットに手を突っこみくしゃくしゃになった紙を取り出した。
「コウ!ダメって言ったでしょ」
紙を受け取ったあとに、はーちゃんは「しまった」と言わんばかりの顔をした。