【続】俺様王子と秘密の時間
初恋の味……?
美結は目線を落としたまま何がなんだかわからなくて沈黙した。
『おい、和志。この女まだ何も知らねぇの?』
カップルの男がニヤリと笑う。
『ったりめぇだろ?チェックメイトはこれからだ』
チェックメイト……?
もう、頭が回らない。
聞いたこともない和志さんの声に、初めて見た闇のような和志さんの瞳……。
思考が奪われていく。
『これはゲームなんだ』
“ミヤビ”と密着したまま和志さんは言う。
『オレたちみたいに優秀なエリートは“息抜き”が必要なんだよ』
理知的な瞳が美結を捉えた。
この人は誰なの……?
こんなの、和志さんじゃないよ。
和志さんは柔らかい口調で頭が良くて色んなことを教えてくれて。
美結のことを夕焼けみたいに優しい笑顔で見つめてくれるんだよ?
ゲームや息抜きって美結とのことじゃないよね……?