【続】俺様王子と秘密の時間


『さっすが和志だな?』

『オレに落とせない女はいねぇ』


和志さんは美結の前で“僕”って言っていたのに、今は“オレ”なんて言っている。


『和志はナンバーワンプレイヤーだもの』


クスクス小さく笑う“ミヤビ”。


No.1プレイヤーって、和志さんは今まで何をしてきたの?


『でもオレはミヤビが一番だよ』

『んぁ……』


見せつけるように濃厚なキスを交わす和志さんと“ミヤビ”を見て、息が止まるかと思った……。


モノクロの世界に立たされたみたいで、身体中の熱がひいてゆく。

和志さんは立ち上がり美結の目の前までやって来る。


『初恋もまだだったんだろ?オレがその相手でよかっただろ?なあ?付き合えて楽しかったろ?』


まくし立てるように言い方に、巨大な氷雪に包まれたみたいに一瞬にして心が凍りついてゆく。

7月だというのに口元が震えた。



そして……

 

< 175 / 658 >

この作品をシェア

pagetop