【続】俺様王子と秘密の時間
『お前みたいに“恋を知らない”女をボロボロにするのがオレ達にとってのゲームなんだよ』
怖い気持ちよりも信じたくない気持ちが、何かが弾けたみたいに身体の底からこみあげてきた。
両手で抱えたワッフルの包みを、ギュッと力強く握りしめる……。
鈍器で思い切り殴られたように鈍い衝撃が走る。
ドクドクドクドク……。
血の流れ、心臓の音が壊れるくらいに激しさを増していった。
『はい、どうぞ。コレはゲームの参加賞よ?まあ、最低スコアだったけどね』
“ミヤビ”は鼻で笑うと美結に小さな箱を渡す。
『……!』
中身を開けると……
くすんだ紫色をした、潰れたリップスティックが入っていた。
『ミヤビったら、最高ー♪』
『すぐに落ちるなんて、最低スコアの、最悪のゲームだった!つまんねぇなあー』
カップルが、“ミヤビ”が笑う。
和志さんも笑う。
みんな、笑う……。