【続】俺様王子と秘密の時間
和志さんは美結の顔に手についたワッフルを汚いとばかりに、力いっぱい擦り付けてくる。
……生々しい音が耳に届いた。
頭の中が真っ白で身体から魂が抜けてしまったみたいに、力も、感情も、全部が無になっていた。
『チェックメイトだ。もう用済みなんだよ。帰れ』
ぎゃははははははははははははははははははははははははは――!
最後に聞いた彼の声は悪魔の声。
アイツらの笑い声。
嘲笑うような、人間の声。
初恋の味は狂った狂気が混ざり合った、メープルの味がした……。
彼に恋して残ったモノは、
想いの残骸だけ……。
その日、美結の恋心は死んだ。