【続】俺様王子と秘密の時間


――――――――……


話終えた美結ちゃんは振り返る。


無表情であたしを見る。


あたしはかける言葉が見当たらなくて、美結ちゃんの闇を映す瞳から目が逸らせず立ち尽くしてた。



「初めての恋を粉々に砕かれた美結の気持ち、先輩にわかる?」


冷めた口調で言った。


あたしは思い描いてみる。


もしも千秋との出逢いから今までのこと、現在のことまで、この時間が全て作られたモノだったら。


……言葉も偽りだったら。

どれだけ、悲しいだろう。

思い描くだけであたしは美結ちゃんの気持ちを理解するなんて、そんなことは不可能だった。


人の痛みは計りしれないから。



「カップルなんてのを見るとね、美結はアイツらのことを思い出して壊してやりたくなるんだよ!」


目を見開いて叫び声をあげた。



きっとそれが、クラッシャーになってしまった原因なんだ……。

 

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