【続】俺様王子と秘密の時間
「そんなことを繰り返してるうちに、美結は人のモノにしか魅力を感じなくなったんだよ」
決して許されることじゃない。
涼くんから話を聞いた時、人のモノが欲しいとっていう理由だけでそんな酷いことをする子なのって思っていたけれど……。
今、わかったような気がした。
美結ちゃんがこんなにも歪んでしまったのは、悪意の塊になってしまったのは、初めての恋に理由があったんだ……。
ターゲットを決めたら計画的に実行して、邪魔者は排除して、そうやってカップルを砕いてきた。
和志という人にされたように。
思い返せばあの日、美結ちゃんはあたしが手にしているモノがワッフルだと言ったら、
『ワッフル……?』
そう言った美結ちゃんの声には力がなくて、大きく見開いた瞳には漆黒の闇が映ったみたいだった。
恋心が死んでしまった女の子。