【続】俺様王子と秘密の時間
◆蜜に染まる心
あぁー、どうしよぉ……。
放課後になってしまった。
「あたし、帰るね」
「あ、うん……」
はーちゃんは鞄を肩にかけてそう言うと、スタスタと教室を出た。
ソレを目で追うと……。
廊下には佐久間くんが居た。
なんか、はーちゃんの顔赤い。
一緒に帰るのかなぁ?
いつの間に親密になったの?
はーちゃんに聞いたら「誰があんなメガネと!」なんて言いそう。
って……そんなこと思ってる場合じゃないんだった!
あたしはモヤモヤしながら教室を出て、禁断の部屋へと向かった。
今日、千秋からメールは着てないし、移動教室が重なってなかなか話しかけるチャンスがなかった。
千秋から伝言を頼まれたなんて、ほんとなの?
うーむ……。
やっぱり何か引っかかるんだよねぇ。
「おーい!先輩ー」