【続】俺様王子と秘密の時間
「涼くん……!」
振り返ると涼くんが居た。
走ってきたのか肩で息をしてる。
「先輩、僕ね、桜井美結のことわかったよ。他校生に聞いたんだ」
「わかったって?」
あたしは眉根を寄せる。
「うん。それがさ、中1の時にひっどい目に合ったらしいんだよ」
えっ。
それって、もしかして……。
「和志ってヤツが超極悪人でさ」
「あの、あたしその話聞いたよ」
得意気に話す涼くんには悪いけど美結ちゃん本人から聞いた話だ。
涼くんは目を丸くする。
「それ、ほんと?」
「うん。朝、美結ちゃんが突然、話てくれたの……」
どうしてかは、わからないけど。
涼くんはじっと考えこむ。
「オカシイなぁ。そんな酷い出来事を、自ら告白するなんて……」
ソレはあたしも思っていた。
「なぁんか、ありそうだな。とにかく、気をつけたほうがいいよ」