【続】俺様王子と秘密の時間


「帰んねぇーの?」

「ちょっと読みたい本があって」


うわぁあああ。

下手くそな言い訳しちゃった。



「へぇ。図書室あっちだけど?」

「……」

「何があったんだよ?」

「別に……」


ああ、もう最悪。

こんな言い方しちゃうなんて。

あたしは羽鳥の顔を見れなくて、再び足を動かした。



「おい待てよ」

「ついてこないでよ……」

「それは無理だ」

「な……なに言ってんのっ」


あたしは走った。

すると羽鳥はめんどくさそうな顔をして追いかけてくる。



「バカ王子と密会かよ?」


そこであたしは足を止めた。

羽鳥が馬鹿にしたように鼻で笑うから、いたたまれない気持ちになった。



「だって美結ちゃんが……」


つい、口走ってしまった。

こんなこと言うつもりじゃなかったのに、引っかかっていたことだからか、言ってしまったんだ。

 

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