【続】俺様王子と秘密の時間
……今のって、何の音?
羽鳥はあたしの腕を掴んでいた手から力を抜いて、こっちを見てくる。
あたしは目をパチパチさせて羽鳥を見上げた。
「あたし、行ってくる……」
「おい、待てよ」
羽鳥の制止も無視してあたしは足を早める。
けれど、禁断の部屋のすぐ側まで来るとなんの物音も聞こえない。
オカシイなぁ……。
あたしは振り返り、羽鳥を見る。
「さっきなんか聞こえ……」
「……んっ」
え……?
あたしが、何か聞こえたよね?って尋ねようとしたのと同時に、誰かの声が重なった。
「ふっ、ん……」
何かをこらえているような声。
すぐ側の禁断の部屋から漏れるその声は、女の子のモノだ……。
あたしと羽鳥は顔を見合わせる。
「確か、あの教室ってヤるとこだろ?」
声を潜めて言った羽鳥の言葉に、とたんに鼓動が暴れだした……。