【続】俺様王子と秘密の時間
暫し沈黙が流れた。
羽鳥に聞こえてるんじゃないかってくらいに、あたしの胸の音はバクバクとうるさかった。
あの教室には千秋が居るかもしれない。
もしかしたら、美結ちゃんも。
美結ちゃんはほんとに何を考えているかわからない女の子だ。
朝だってそうだった。
いきなり謝ってきたかと思ったら、自ら過去を話し出して、千秋からの伝言だと言ってきたり。
いったい、何を考えてるの?
想像もしたくない光景が脳裏に浮かび上がり、あたしはもう、じっとしていられなかったんだ。
再びすぐ側にある禁断の部屋へ向かおうと俯いた顔を上げた直後。
――ドンッ
「ひゃっ……」
突然、前から来た人物にぶつかってしまう。
ハッとして顔を上げると。
「やっぱり来たんだねぇ?」
ぶつかった相手は歪んだ笑みを浮かべる。