【続】俺様王子と秘密の時間
「み……美結ちゃん」
声が詰まってしまいそうだ。
予想はしていたけど美結ちゃんが現れたことに、あたしは戸惑う。
威圧感みたいなものを感じさせる不適な笑みが怖くて、あたしはすぐに目線を逸らそうとした。
けれど、出来なかった。
美結ちゃんの制服は乱れていて、ワイシャツのボタンがいくつか外れて胸元がチラリと見える。
考えたくもないことなのに、嫌な考えは止まらず押し寄せてきた。
「てめぇ、何してたんだ?」
後ろから羽鳥が言葉を投げる。
全く動じることもなく美結ちゃんはクスリと意味深に微笑んだ。
「千秋先輩って、結構……激しいんですねぇ?美結、もう身体が熱くて、溶けちゃいそうだよぉ」
まるで“誰か”を想うように。
熱っぽい声でそう言った。
さっきの声は美結ちゃんのモノ。