【続】俺様王子と秘密の時間

二人の会話を黙って聞いていたあたしは、千秋が美結ちゃんのことを思い出したんだと理解した。


恐る恐る美結ちゃんに目をやる。


眉根を寄せて怒りに満ちた……、般若のような表情をしていた。



「歪んでるのは千秋先輩の方よ！冴えない凡人と遊ぶなんて、王子様がすることじゃないわ……！」


目が血走っていた。


自分のことを冴えないとか凡人とか言われることには慣れていた。


いつしかそう言われることが当たり前のように感じていたけど、千秋の前では言われたくないと思ってしまうあたしが居る。


今さらながら自分が凡人であるという事実が、重くのししかった。

恥ずかしくて悔しくて、消えてしまいたくなる……。



「オレが誰と何しようと、勝手だろ？指図されるのは嫌いなんだ」


バカにしたような物言いだった。