【続】俺様王子と秘密の時間
「なに言われたんだ?ん?」
すかさず突っこまれ戸惑った。
目をキョロキョロと泳がせる。
「浮気でもしたのか?」
「な……」
浮気って……。
全然笑えないんだけど。
「ふーん」
見透かされたような気がして、口ごもるあたしの顔を覗きこんだ。
千秋の前髪があたしのオデコに触れた。
「あんまり妬かせんなよ」
息が触れ合う距離で囁いた。
そしてあたしの唇を塞ぐ。
引き寄せられたあたしは誘われるようにそっと瞼を落とした……。
「ふ……んっ……」
千秋のキスが今日はすぐに激しくなって、あたしの髪の毛に指を通して絡めてくる。
首筋に何度も熱い唇を這わせてわざとらしいくらいに音をたてる。
舌で唇をつつかれた。
合図のように薄く開いて受け入れる。
誰も居ない教室で何度も深いキスをした。
――まるで蜜を求めるように。