【続】俺様王子と秘密の時間
そしてあたしの悩みの種はというと、何一つ解決していないんだ。
美結ちゃんとのことが終わったっていうのに、気分が晴れないよ。
もぉおおおおお……。
「気まぐれ王子のバカヤロー」
ポツリと呟いてみる。
「なんだって?」
へっ?
顔をあげるとそこには不適な笑みを浮かべる千秋が立っていた。
「おい、誰が気まぐれだって?」
一歩踏み出してあたしに近寄る。
ぎゃああああああ――。
「な、なんで居るのよ?」
「図書室の前で近藤に会ったから聞いた」
あっ……。
はーちゃんは図書室へ行ったんだった。
もぉーっ、お喋りはーちゃん!
視線を感じたあたしはチラリと千秋に目をやる。
千秋はポケットに手を突っこんで、あたしの目をじっと見てくる。
そして口を開いた。