【続】俺様王子と秘密の時間
「あれ?シイちゃん……?」
背後から聞こえた声に振り返る。
白いワンピースを着たショートヘアの女の人が立っていた。
見覚えのある顔だった。
う〜ん……。
誰だったっけ?
「わたしのこと忘れちゃった?」
女の人は微笑みかける。
あっ……!
その顔を見てあたしは思い出す。
「も、もしかして、ユリさん?」
「うん。久しぶりね?」
わわっ!
ユリさんは驚くあたしの隣に座った。
ユリさんと会うのは去年の文化祭以来で、あたしは何故だか緊張していた。
「大学の帰りなんだけどね、通りかかったらシイちゃんに似た女の子が居るなぁって思って来たの」
高い声のトーンが響く。
「ユリさん髪切ったんですね?」
一瞬、誰だかわからなかった。
文化祭で会った時は髪が長かったし、それに綺麗に巻かれていた。
ショートヘアも似合っている。