【続】俺様王子と秘密の時間
「お前ら、今すぐ消えろ」
千秋は邪魔だとばかりに言った。
だけどあたしは魂が抜けたようにしばらく硬直して動けずにいた。
恥ずかしすぎるよぉ!
見られてたなんて、もう顔から火が吹きそうなくらい恥ずかしい。
「まだ消えないわよ。ほーら、雅弥!早く謝りなさいよ」
「そうだ雅弥!椎菜ちゃんが可哀想だ!バイトまでしてたんだぞ」
えっ……なんの話?
ユリさんと春希さんが羽鳥のウェーブをバシバシ叩いている。
「ぜってぇやだ。オレは謝んねぇよ」
「謝りなさいよ!」
ユリさんはお母さんみたいな口調で怒っているけど、羽鳥はふてくされたような態度をとっていた。
「まったく!もういいわよ。あのねシイちゃん?雅弥が千秋の誕生日は16日って言ったでしょ?」
あたしはコクンと頷く。
「あれ、雅弥の嘘なの。ほんとは今日、5月15日が千秋の誕生日よ」