【続】俺様王子と秘密の時間
今日が誕生日……?
嘘だよ……。
「だって羽鳥、15日って……」
ドアに寄りかかる羽鳥はムスっとして、あたしから視線を逸らす。
ウェーブの髪の毛を指に絡めて、すっとぼけてる!
「シイちゃんからそれを聞いて驚いたわ。雅弥を問いただしたら認めたのよ。それで連れてきたの」
だからあの日、ユリさんは春希さんを連れて突然帰ったんだ……。
どうしよう。
プレゼントも何も用意してない。
明日、バイトが終わったら買いに行くつもりだったから。
「羽鳥……酷い…嘘つき…意地悪…サイテー!」
目がうるうるしてきた。
ちゃんと千秋に確かめなかったあたしが悪いけど、こんなんじゃ、誕生日に何もしてあげられない。
「シイ…ごめん。ごめんな?」
羽鳥が悲しそうに謝るから、それ以上責めることは出来なかった。
「あたし、何も用意してないの。誕生日なのに」