【続】俺様王子と秘密の時間
時刻はもう8時を過ぎていた。
ソワソワしてきたあたしは落ち着くことが出来なくて、何度も時計の針を見ては焦っている。
あたしは千秋に“おめでとう”ってまだ言えてないんだもん……。
あと4時間で誕生日が終わっちゃうよぉ!
「ねえ、シイちゃん!ケーキ作らない?」
「お、いいね。椎菜ちゃん、オーブンあるから作ってみれば?」
ケーキ……?
そ、そんな、唐突すぎるよ。
「プレゼントが用意出来なかったって落ちこんでたじゃない?」
「でも材料が……」
「大丈夫よーっ!駅前のスーパーならまだやってるから。ねっ?」
「あたし、お料理とか下手で」
目玉焼きを真っ黒に焦がすお姉ちゃんよりは出来るつもりだけど、ほんっとに自信がないんだ。
それにケーキなんてすごい難しそうだし。
「千秋、絶対喜ぶと思うわ」