【続】俺様王子と秘密の時間
「シーイ、こんな時間になにやってんだ?危ないだろ?」
黒澤拓海は立ち尽くす羽鳥の横を通りあたしの前までやってくる。
まるで保護者のような口調だ。
「まだ制服着てるってことは、さっきの男ん家にでも行ったの?」
千秋のことを言ってるんだ。
タバコを加えたままあたしの目線に合わせて顔を覗きこんできた。
「おーい。聞いてんの?」
ペチペチと頬を軽く叩かれてムカッときた。
タバコの煙が目に入って痛くて、強く瞬きすると涙が落ちそうだ。
「あなた、なんなのよ!だいたい何でココにいるの?」
「オレはバイトの帰りだ。通りかかったら、お前が男とイチャついてんのが見えたから」
「な……!」
「そんな怒るなって。可愛くないぞ?」
ほんとにムカつく男。
無視して羽鳥のもとへ行こうとしたら黒澤拓海がボソっと呟いた。