【続】俺様王子と秘密の時間
「イジメたくなるんだけど」
てゆーか、もう既にイジメてんじゃないの……?
千秋はあたしの頬にかかる髪の毛を掻き分けて、顎を掴んでクイッと上に向かせる。
唇が触れ合いそうで、距離にして1センチもない。
トクン……。
甘い疼きが音をたてる。
「目、閉じねぇの?」
その言葉が千秋の次の行動を示しているような気がしたんだ。
無造作にセットされた色素の薄い茶色い髪の毛が、あたしの肌をかすめた。
ブラウンの瞳に吸いこまれてしまいそうになる。
「早くしろよ」
「だって……」
千秋にキスされるんだと頭の中で理解したとたんに、胸がドキドキと加速し始めた。
あたしは静かに目を閉じる。
千秋に触れられた顎がジンジンと熱くて頭の芯がぼんやりとする。
そして……