【続】俺様王子と秘密の時間
あたしはフルフルと頭を振った。
「ちゃんと聞いてやるから言ってみろよ?」
きっといつものあたしなら意地をはって言えない。
だけど今日だけは素直になるって決めたから、怖かったけどあたしが思ってることを全部話した。
「あたし……千秋のこと何も知らないの……嫌いなモノとか好きなモノも、何一つ知らなくて……」
羽鳥の言葉は間違ってない。
今日はずっと一緒に居られるっていうのに、千秋が遠くに感じてたまらなく悲しい気持ちになる。
「……こんなんじゃダメなのに、何も知らないけど、でも……」
目の奥が熱くなった。
泣きそうになるのを唇を噛んでこらえようとして、言葉に詰まる。
「それでもあたし……千秋が……好きなの……どうしようも…ないくらい、千秋のことが好きなの」
溢れてもう声にならない。
お願い伝わって……。