【続】俺様王子と秘密の時間
「人聞きの悪いこと言わないでよね。僕はただ、転校生が来たって話を耳にしたから、記事にしたくて写真を撮りたかっただけなんだ」
スカルのピアスを指でいじりながら話す。
相変わらず涼くんは写真が大好きで、記事を書くのに夢中な様子。
「転校生なら屋上に向かったって3年の先輩から聞いたから来てみたけど、ドア開けてビックリだ。まさか転校生と先輩が一緒に居るなんてね」
不満そうな顔であたしを見る涼くんはガッカリとでも言いたげな目でうったえかけてきた。
「あ〜あ。きっと今撮った写真も先輩のマヌケ面が写ってるよ。しかもドアップだ。最悪」
マヌケ面……。
しかも最悪って……。
小生意気な涼くんに完敗だよ。
「お前、可愛い顔してんなぁー?名前、涼っつぅの?」
シュボッ……と取り出したタバコに火をつけた黒澤拓海が口を開いた。