【続】俺様王子と秘密の時間


「当然、オレも高校変わりまくって。んなこと繰り返してるうちにダブっちまったんだけどな」

「ちゃ、ちゃんと通えばよかったじゃない」

「真面目に高校行ってもどうせまた転校しちまうんだ。友達とか……バカくせぇじゃん?」


あたしから顔を背けた黒澤拓海は眉を下げて小さく息を吐くように笑う。

その表情が悲しく揺れたように見えた。


話しから想像する黒澤拓海は、何故かいつも独りぼっちだった。



「だから19なのに高校生やってんだよ、オレ……」


タバコをアスファルトに落とし、ぐしゃりと踏みつけた。


あたしが屋上で尋ねた時の強い瞳は何も聞くなという拒絶のようだったけれど、その理由がわかったような気がした……。


お父さんがリストラにあって再就職について転勤ばかりしているから、なんてなかなか言えない。

友達だって出来てもすぐにまた別れることになるなんて、寂しい。

 

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