【続】俺様王子と秘密の時間
「確か、シイはさ、あの王子が好き…」
「アナタに関係ないじゃない」
棘のある言い方をしてしまったことに自分で驚いた。
羽鳥と千秋の二人の名前が出たからなのか、的を得ていたのか。
どうしてかはわからないけどこんな言い方をしたら、黒澤拓海はまた何か突っかかってくるに違いない。
「ま、そーだな。関係ねぇよな」
あれ……?
絶対何か言ってくると思ったんだけど。
「シイ、連れまわしすぎた。ちょっと休もうぜ」
「えっ。あ…うん」
面食らった。
黒澤拓海でも一応気遣い出来るんだ。
あたし達は夢の国の中にある休憩スペースまで歩いてきた。
「なんか飲み物買ってくる。シイ、絶叫マシーン乗るたびにギャーギャー悲鳴あげてたから、喉渇いただろ?」
「それは……!」
それはアナタが無理矢理乗せたんでしょーが!って、もう既に居なくなってるし……。