【続】俺様王子と秘密の時間
「それでどうしてあたしに変なこと言ったりしたの?初めて会ったのに“覚えてる?”とか、“会ったことあんじゃん”とか………」
ずっと疑問だった。
だって、あたしはほんとに会ったことなんてなかったんだもん。
「さぁ、なんでだろーな?」
「へっ?なに、それ……」
ポカーンと口を開けるあたし。
「嘘だよ。でも、わりぃけどさすがにそれは言えねぇわ」
「ど…どうして?」
あんな意味不明なことばっか言ってきて、散々混乱させといて今更それはないでしょ……。
きちんと説明してくれないと、あたしは納得いかないんだから!
じーっと視線を送ると黒澤拓海は罰の悪そうな顔をして、あたしの視線から逃げるように目を逸らした。