【続】俺様王子と秘密の時間


キ、キキキ、キス……!?

噴水の中でキスって、なんて大胆な……。

その話を聞いたあたしはそれまで忘れていた何かを思い出した。



「あ、あ、あの。あたしにお願いきいてって言ったのはなんで……?」


うぅ……。

ほんとはこんなこと聞きたくないんだけど、やっぱり気になる。



「ああ、あれはさっきも言ったようにシイを身代わりにしよーとしてたから」


は、はいぃ?

さらりとした口調で言いのけるから力が抜けた。



「シイの気をひいて、あわよくばモノにしてやろうと思ってたわけ。まあ、シイに説教された今、その必要はねーけど」


むっかぁあああああああ!

なんなの、コイツ!


さっきまで落ちこんでたから、あたしだって慎重に言葉を選んで接してたっていうのに、悪びれた様子なんてまるでない!


やっぱりさっき遠慮なく殴ってやればよかった!

 

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