【続】俺様王子と秘密の時間


「シイに写真拾われてなくてさ、今の話しなかったとしても。シイはシイだから最初からキスするつもりなかったしな」


もうすっかり氷が溶けたジュースを一気に飲み干した。



「当たり前じゃない!」

「安心しろよ。約束通り、もうつきまとったりしねーからさ?」


そりゃあ、あたしに意味不明なことを言ってきた訳がもう全部わかったんだから、つきまとう理由はない。



「でもシイのおかげで決心ついたから感謝してんだぜ?」


決心……?

それってやっぱり彼女を諦められないって気持ちを再確認したってこと?



「それより、シイはどーなんだよ?」


考えているあたしに問いかける。



「どうって、なにが?」

「だから、二股はよくないぜ?」


いつものあたしならさっきの勢いで猛否定している。

けれど千秋のことが頭を過ったから、風船がしぼんだみたいに力が抜けてしまった。

 

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