【続】俺様王子と秘密の時間
黒澤拓海はそう言うとベンチから立ち上がりあたしを見据える。
「とりあえず王子と話した方がいいな」
「んー……」
「オレにいい考えがある」
「か、か、考え?」
黒澤拓海はニヤリと笑みを含む。
超悪そうな笑顔だ……。
「シーイ、どうする?オレの考えに従う?それとも、王子と話しも出来ないままでいい?」
自分の考えに自信満々だと言わんばかりの口調であたしに言う。
なにを考えてるのか知らないけど千秋とこのままでいい訳ない。
「あたし、千秋と話したい……」
最初は大嫌いだった黒澤拓海の考えとやらに頼る程、あたしは重症だったのかもしれない。
だけど千秋と話したい一心で頼ることにした。
「よし。じゃあ早速。シイ、ケータイ貸して?」
ケータイ?
言われた通りにケータイを差し出した。
でも一体、考えってなにをするつもりなの……?