【続】俺様王子と秘密の時間
≪part☆5≫
◆姫に口づけを
「ねぇ、ケータイ貸せってなにする気なの?」
「んーー?」
黒澤拓海は背を向けたまま適当な返事を返して、あたしのケータイをカチカチと操作してるんだけど、なんか怪しいのだ。
もしかして、あたしのケータイでイタズラしてたりとか?
この男ならやり兼ねない!
なんて、ことを考えていたら……
「シーイっ」
「わわわっ!!」
直後、黒澤拓海があたしにピタリとくっついてくる。
そしてすばやく腕を前に伸ばしケータイを構えて、あたしの頬っぺたをムギュっとつねったとほぼ同時に短い効果音が鳴った。
――ピロロロン
「痛いっ!」
コイツ、いきなりなにすんのよぉおおおおおお!
人の頬っぺたつねってそれを写メに撮られた。
ほんっとにわけわかんない!
「これで準備完了だ」
「アナタ、なんなの!?」
「説明は後だ。時間がねぇ。移動するぞ」
「はぁ……?」