【続】俺様王子と秘密の時間
考えがあるなんて言うから頼ったのに、一人だけ理解しててあたしにはなんの説明もしないわけ?
ケータイだってまだ返してくれないし写メは撮られるし、しかもまた勝手に操作してるし……。
ぶつぶつ文句をたれながらもあたしは渋々、黒澤拓海の後ろをついて行く。
少し歩いたところで黒澤拓海が立ち止まり、そばに噴水があった。
「ここって、5時になるとライトアップされるっていう噴水?」
巨大噴水だけあって大きいことは大きいんだけど、囲いのような物があるわけじゃない。
地面に小さな穴がたくさんあって中心部分の一部だけから、水が吹き出ている状態だ。
「そう。5時になったらライトアップされて、周りにあるこの穴からさらに水が吹きでる仕組みだ」
それを聞いて近くにある時計に目をやると、5時まであと数分。
そもそも、なんでここに移動したの?