【続】俺様王子と秘密の時間
今にも溶けちゃいそう。
もしも“これ以上”のことをしたら、あたしはどうなっちゃうんだろう……なんて考えてしまう。
「んな抱きしめんなよ。動きづらい」
千秋の唇が首筋を伝うから、あたしは無意識のうちにギュッと腕を回していた。
ワイシャツからほのかに香る千秋の匂いが、胸をキュンとさせる。
付き合うとか……そういう直接的な言葉を千秋は一度もくれないけれど。
あたしは瞼を閉じてあの日、千秋がいってくれた「好き」って言葉を頭の中で何度もリピートする。
あたしの中で甘く反響する。
だから、千秋の気持ちがどこにあるのかわからなくなっても、切ない気持ちのままでも。
それでもあたしは、どうしようもないくらい千秋に恋焦がれているんだ……。