【続】俺様王子と秘密の時間


「その目、誘ってるとしか思えないんだけど?」

「なっ!」

「ムキになるってことは図星?」


ムカつくムカつく!

口を尖らせるあたしの背中に、千秋は手を回して力をこめる。

逃がさないようにグッと抑えこまれ、ただでさえ近い距離はさらに近くなる。

鼻と鼻がぶつかってしまいそう。



「膨れてんの?」

「あっ……」


あたしの服の中に手を滑りこませて背中をまさぐるから、身体の芯が疼いて声が漏れてしまった。



「もっと上手に、上目遣いとかやってみ?」


千秋の言葉には容赦がない。

そんなの知らないしあたしに出来るわけない。


――プチンッ


骨ばった指を這わせてたどり着いたホックを外す。



「だ、ダメ……」

「聞こえねぇな?」


ギュッと目を閉じて甘い悲鳴を堪えるのが精一杯なのに、千秋は酷く意地悪な言い方をする。

 

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