【続】俺様王子と秘密の時間
「違うだろ?」
ふいに顔を上げた千秋は長い前髪をかきあげて、荒々しく息を吐いて、あたしの唇を親指でなぞる。
「“もっとしてほしい”だろ?」
ドキッ……。
その悩ましげな表情がやけに色っぽくて、甘い言葉に魅せられて、理性がどんどん追い詰められる。
「な、ななな……」
千秋が変なことを言うから耳まで真っ赤になる。
もう平常心なんて保っていられる自信はなくなってしまった……。
「言ってみ?」
「言えるわけな……」
言い終えないうちにキスが降ってくる。
吐息すら奪ってしまうような深い深いキスだった。
「お前の照れてる顔、もっと見せろよ?」
そう言って再びあたしに触れるからぞくぞくと肌の表面が震える。
「あ……んっ……」
まるで全身がお砂糖に包まれてしまったみたいに溶けちゃいそう。