【続】俺様王子と秘密の時間
突然のことにビクッと身体が跳ねて、これはヤバいとあたしは思ったけれど時に既に遅しだった。
「ただい…ま……」
ぎゃああああああああっ!
部屋のドアが開いて誰かが入ってきたと理解した時には、その人物があたし達を見て固まっていた。
同時に千秋が口を開く。
「慎」
さっきはーちゃんの部屋に行った佐久間くんが、戻ってきたのだ。
千秋があたしを抱きかかえているこんな状況を見たからか、ピシャリと石のように固まっていた。
最悪……!
こんなところを佐久間くんに見られるなんて、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしい……。
「タイミング悪いっつの」
「ごめん、成瀬川……」
「んで、慎。楽しかったか?」
やっと発した佐久間くんの言葉に、千秋はからかうように言う。
佐久間くんは動揺を隠すように、メガネをずりあげた。