【続】俺様王子と秘密の時間


突然のことにビクッと身体が跳ねて、これはヤバいとあたしは思ったけれど時に既に遅しだった。



「ただい…ま……」


ぎゃああああああああっ!

部屋のドアが開いて誰かが入ってきたと理解した時には、その人物があたし達を見て固まっていた。


同時に千秋が口を開く。



「慎」


さっきはーちゃんの部屋に行った佐久間くんが、戻ってきたのだ。

千秋があたしを抱きかかえているこんな状況を見たからか、ピシャリと石のように固まっていた。


最悪……!

こんなところを佐久間くんに見られるなんて、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしい……。



「タイミング悪いっつの」

「ごめん、成瀬川……」

「んで、慎。楽しかったか?」


やっと発した佐久間くんの言葉に、千秋はからかうように言う。

佐久間くんは動揺を隠すように、メガネをずりあげた。

 

< 483 / 658 >

この作品をシェア

pagetop