【続】俺様王子と秘密の時間
一体、なんだったの……?
全く意味がわからなかったけど、あたしはとにかく無事に部屋へ帰ることでいっぱいいっぱいだ。
よしっ!
西山先生がまだ居ると考えたあたしは、一階の休憩スペースで少し時間稼ぎをすることにした。
その前にトイレに寄った。
手を洗いながらふと鏡を見る。
「あ……」
鎖骨辺りには赤い刻印があった。
さっき千秋があたしにつけた印に、たちまち恥ずかしくなって、一人でドキドキしてしまった。
そして一階に来たのはいいけど、当然誰も居ないし、休憩スペースはロビーから離れた場所にある。
だからほぼ真っ暗に近い廊下を歩いて、ビクビク肩を震わせた。
ひぃいいいいいい。
かなり不気味だよぉ。
なんとか休憩スペースに着いたあたしは、自販機で苺ミルクを買って、木製のベンチに腰をおろす。