【続】俺様王子と秘密の時間
いつの間に居たの……?
それに“知ってるよ”って。
「コウ、誰なのよ!?」
「てゆーか、コウちゃん……」
「なぁにー?」
「ななな、なんで知ってるの?」
あの時、あの休憩スペースには、あたしと“彼”しか居なかった。
「見ちゃったんだ、オレ」
「「なにを……!?」」
あたしとはーちゃんの声が重なったその時。
「お前ら、なにやってんだよ?」
――ドキッ
寝起きなのか、のそのそと旅館の入り口からこっちに来る人物に、大袈裟な程反応してしまった。
髪の毛をくしゃくしゃとかきあげて首を傾げる。
「だから、見ちゃったんだ!」
コウちゃんはそう言って、現れた“彼”の肩を掴んで叫んだ……。
「シイにキスする雅弥をね!」