【続】俺様王子と秘密の時間
「そうだよ雅弥。最近特に変だ。シイに冷たくしたり優しくしたり……。雅弥らしくないよ?」
「コウ。こういう時は空気読みなさいよ」
羽鳥から目を離さずにはーちゃんは言う。
言い合いになるなんてことは滅多になくて、自分のことなのに何も言えない自分に腹がたった。
かといってなにか言える勇気もなくて。
つくづくあたしは臆病者だ……。
「まさか雅弥、罰ゲームってキスだったの?だからシイにキ……」
「……もう黙れよ!」
ビクッと肩が跳ねた。
うんざりだと言いたそうに、羽鳥は眉をしかめてウェーブをかきあげる。
「シイにキスしたのはオレだ」
ドクンッ……。
やっと顔を上げたあたしは羽鳥と目が合って、とっさに逸らそうとしたけど、それが出来なかった。